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法律コラム

2025年01月

時間がないので一筆書き

今月は、このコラムに何を書くか本当に何も考えておらず、困ったなと通勤の車内で何を書こうかツラツラと考えておりました。でも、何も書く内容を思いつきません。そのため、今月も雑感的なことでお茶を濁させて頂きます。
先日、裁判所の待合室で依頼者さんと雑談していた際、出身高校の話になり、高校生のころのことを少し思い出しました。そして、ありきたりですが、随分と時が経ったと改めて実感しました。赤ちゃんのころから知っている甥や姪も、最近結婚して家庭を持っており、息子も成人して今は大学生です。母はもうなく、父も施設で生活するようになりました。
そんなこんなで、自分も世代の連鎖の一部なのだなと感じることが最近は多くなりました。
ただ、そうすると、上の世代から引き継いでおくべきこと、知っておくべきことが何だか気になってきます。
うちの実家は昔ながらの家というか、あまり子どもと父とが親しく話すことのない家でした。結婚して独立してからも、私は、姉のように孫を連れて実家に頻繁に顔を出すこともなかったので、そんなに父とは話す機会もありませんでした。でも、母が施設に入り、父が一人暮らしになってからは、近くにいたのが私だけだったこともあって、2週間に一回は実家まで出向いて、色々と用事を片付けるようになりました。父も最初は「来んでいい」「早く帰れ」という態度でしたが、次第に「あれやってくれ」「ここに連れて行ってくれ」「これ買ってきてくれ」と私を頼るようになりました。そんな折りに、私はポツポツとではありますが、父から父自身の話や、親せきの話、祖父・曾祖父の話を聞くようになりました。初めて知る話も多く、おかげで、それまでより父という人間をよく理解できるようになりました。そんな風に感じて生きていたんだと。また、父は、色々な事を私に引き継ごうとするようになりました。実家のこと、お墓のこと、親せきのこと。私がこういう仕事に就いたこともあったのだと思います。実家通いをしている時は正直少し面倒でしたが(同じ市内とはいえ結構遠いので)、今となっては行っておいて良かったなと感じています。すごく貴重な、得がたい機会でした。
こうして上の世代から引き継ぐべきものは、ある程度は引き継げた。そして、下の世代(息子)に引き継がなくてはなりませんが、それはまだ先のこと。
私たちは、否応なく年を取り、いつかこの世を離れていく。そのようにして世代は常に移り変わの、社会も価値観もどんどん変容する。
JAZZの古いスタンダードナンバーに「Fly me to the moon」という、とても有名な曲があります。ある著名なアニメ作品で用いられたことで、日本でもよく知られるようになりました。この曲は、歌詞の一部を取って元々は「In Other Words」という題名だったと記憶しています。女の子が彼氏に「月に連れて行って」とか色々と言うのは、言葉を換えれば、「手を繋いで」とか「キスして」とか「愛してる」ということなんだよという、そんな内容の曲です。そんな風にして、人は誰かと結びつき、順々に世代は移り変わっていく。
でも、いつの世も、同じように人が人を強く求めるというのは、当たり前のことではあるのですが、何とも不思議なことですね。