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法律コラム

2024年07月

年齢を重ねて感じること。

当然のことですが、生きていると否応なく年を取り、年を取るにしたがって様々な物事が変化します。細かい字が見えづらくなり、太りやすく痩せにくい体質になります。
ただ、それなりに悪くない面もあります。
ひとつは、経験を積むことで、若いころよりも色んなことが実感をもって理解できるようになります。「人の気持ちが分かる」ようになります。それは、私のような職業にとっては望ましいことです。もちろん価値観も変わってきます。色々な経験をし、多様な価値観と出会い、絶え間なく影響を受けて、独りよがりで硬直気味な価値観は、試練を受けて修正を余儀なくされます。それに伴って自分に対する認識や評価も変化し、現実の自分に適合したものへと変容を遂げていきます。そして、精神的にはタフになり、若いころほど簡単にへこたれなくなります。「あつかましく」なり、文句も言えるようになります。
きっと皆さん似たり寄ったりではないでしょうか。
年を取ってきて、率直に思うことは、年長者(おじいさん、おばあさん)はすごいなということです。若い頃は、当たり前に年をとり、歳月の経過によって年長者になるだけで、別に大したこととも思っていませんでした(不遜ですね)。ただ、年を取ること自体が決して容易なことではないと身に染みて分かってくると、年を取るということ、それ自体がひとつの達成のように感じられてきます。
昔は杖をついたり手押し車を押して歩いている年配の方を見かけても、ネガティブな印象しか受けませんでしたが、自分の親が年を取り体が不自由になって自由に出歩くことができなくなると、そうして自力で動くことがてきるというだけで、それはとても素晴らしい、有り難いことであって、祝福すべきことであると感じられるようになりました。
意識していても、意識していなくても、どんどん自分の立ち位置が変わっていく。「こっち」にいるつもりが、いつの間にか「あっち」にスライドしていく。
当たり前ですが、初めての経験で、何とも不思議な感じのするものです。
少しは賢くなっていればよいのですが。